支部長挨拶

2024年6月より九州支部長を務めさせて頂きます長崎大学の澤瀬でございます。
日本口腔インプラント学会九州支部は、九州8県で構成され、2000名もの支部会員が所属し、関東・甲信越支部、近畿・北陸支部についで3番目に多い会員数を有しています。研修施設として、6つの大学系研修施設と2つの臨床系研修施設があり、安全・安心なインプラント治療を提供できる歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の育成に努めております。年1回開催される支部学術大会においては、最新の研究と知識の交流が図られています。

近代インプラント治療が臨床応用されてから約60年が経過し、口腔インプラント治療は欠損補綴の一法として、広く認知されるに至っています。これまでの多くの研究結果から、確かな口腔機能の向上が確認されており、ひいては健康寿命の延伸に寄与することが期待されているところです。
超高齢社会のフロントランナーを走る我が国において、「いつまでも美味しく口から食べること」の重要性が希求されており、口腔インプラント治療の需要は今後も増加することが予測されています。一方で、インプラント人口の高齢化は、受療者の多くが抱える基礎疾患や多剤服用、生涯にわたるメインテナンスの継続など、私たち医療従事者の責務は拡大しています。このような中私達は、安全・安心なインプラント治療を提供するための知識・技術の習得がますます重要になります。また、エビデンスに基づく医療(EBM)の重要性を考えますと、インプラント治療に携わる臨床医は、最新の医療情報、エビデンスを情報共有し、常にアップデートしていく必要があります。
九州支部の学術活動を大いに活性化させ、九州支部の強みである横の連携を一層強固にし、会員の皆様にとりまして有意義なものとなるように努めて参ります。今後とも御協力、御支援賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

末筆になりましたが、学会本部執行部では、九州支部選出の理事であります細川隆司先生(九州歯科大)が、本学会理事長に再任され、2期目の舵取りを担っていただくことになりました。喫緊の課題である、日本歯科専門医機構の審査・承認による広告可能な新しい専門医制度の確立をはじめ、多くの課題があるなか難しい舵取りであると拝察いたしますが、お膝元である私たち九州支部会員一同、一丸となって細川執行部を支え、九州の地から新たな研究や臨床の成果を発信できるように努力したいと考えております。九州支部会員の皆様の益々のご活躍を祈念し、重ねてご協力をお願いして九州支部長の挨拶といたします。

 

2024年6月 日本口腔インプラント学会
九州支部長 澤瀬 隆

 

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